部長コメント

　近年の医療は、臓器別あるいは系統別専門領域別に細分化された診療、いわゆる専門診療が行われておりますが、中には特定領域の範囲内で診療するには難しい患者さんがおられます。総合診療とは専門診療の対義語となり、内科系、外科系を含め患者さんを総合的かつ全人的に診察し、患者さん中心の医療を実践することを目的としております。どの診療科を受診すればよいかわからない場合や症状から特定の診療科を決めるのが難しい場合に受診していただければ、患者さんの症状をお聞きし、診療をしながらどのような治療が必要かを見きわめ、患者さんの立場に立った医療を行ってまいります。もちろん専門性の高い治療や検査を必要とする場合は、必要に応じて当院専門各科やより高次な医療機関への紹介も行います。

　当院に総合診療科が創設されて、2年が経過しました。現在、総合診療科のスタッフは7名が在籍しており、外科、消化器内科、循環器内科、腎臓内科、呼吸器内科などの様々な領域の専門医によって構成されております。各々の医師が横断的な広い知識を持ち、必要な検査を可及的速やかに施行し、診療の方向性が見出されるまで身体的な疾患や心理的な問題を抱えている患者さんに対して全人的に診療することを心がけております。