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陥入爪(かんにゅうそう)・巻き爪でお悩みの方へ

陥入爪・巻き爪について

形成外科部長  藤森 靖 / 皮膚科部長  池田 大介

形成外科では、陥入爪・巻き爪の治療を行っています。爪のくい込みが痛かったり、ひょう疽(ひょうそ)といって、爪の周囲にばい菌が付いて炎症がひどくなったりして、来院される方がほとんどです。原因は様々ですが、爪の切り方を改善すれば良くなる場合もたくさんあります。また、中には陥入爪や巻き爪ではないのに、爪の切り方が悪いため、ひょう疽を起こしてしまっている方もおられます。ここでは、爪の切り方について説明しますので、是非参考にしてください。

陥入爪と巻き爪

爪の変形する病気の中でも形成外科によく受診される病気です。陥入爪は、爪の端が曲がってくい込んでいる状態のものを言い、巻き爪は爪全体が曲がっている状態を言います。

陥入爪

巻き爪

図 ①

このような爪の変形があると、爪の端の部分が皮膚を傷つけて、その部分にばい菌が入り、化膿することで安静にしていても痛くなることがあります(ひょう疽)。はじめは、赤く腫れている程度ですが、炎症が長引いたり繰り返したりすると、膿が出て肉芽(にくげ<上記図①矢印>)という盛り上がりが出てきます。陥入爪や巻き爪が原因でひょう疽になる場合もありますが、普通の爪の形でも前述のように爪切りの仕方が悪いと、このような痛い状態になる方が多くおられます。

悪い爪切りの例

全体的に短く切りすぎです。

爪のカドの部分を切りすぎです。

これらのような切り方をすると、爪の根元(足の趾の骨の付近にまでつながっています)には、幅に広い爪や爪の元になるところが残っているので段差ができたまま爪が生えてきます。この段差の部分が前方の皮膚を傷つけるので、炎症を繰り返してしまいます。

カドだけを深爪してしまう方も多く見られます。一見カドがなくなったように見えますが、この場合も見えないところの一番端のカドが皮膚に突き刺さり、そこからばい菌が入ってしまうことがよくあります。

正しい爪の切り方

爪のカド(赤矢印)が皮膚より前に出るように切ります。
爪を丸く切った場合に爪のカドが皮膚に食い込むようなら、爪を直線に近く切ってください。
爪の白い部分を全部切ったり、白い部分とピンクの部分を無理に平行になるように切ったりしないように注意しましょう。

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当科での治療法

1 コットン挿入

爪のカドの部分と皮膚の間に綿花を少しつめて皮膚が傷つかないようにします。爪のカドが前方に伸びきったら、治療は終了です。

2 形状記憶ワイヤーによる治療

形状記憶合金で出来たワイヤーを爪にさして固定しておくと、ワイヤーが伸びようとする力に引っ張られて、曲がった爪が平らになります。数ヶ月間~半年間ワイヤーを留置します。処置は痛みを伴いませんので、麻酔の必要もありません。

3 手術(フェノール法)

爪の端のくい込んでいる部分を切り取ります。そのままでは、爪の元になる部分からまた爪が生えてくるので、フェノールというたんぱく質を腐食する薬で爪の元になる部分をつぶしてしまいます(真中の写真の黒点線より外側)。爪の幅は少し狭くなりますが、くい込みはなくなります。局所麻酔をして行います。キズが治るのに2~4週間程度かかります。

~ 詳しくは担当医までご相談下さい ~

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